死刑廃止全国交流合宿分科会を行いました

死刑廃止全国交流合宿が東京・築地の本願寺にて行われました。午後1時より、
「世界死刑廃止デー企画響かせあおう 死刑廃止の声2010」と題するシンポジウ
ムが行われ、夜から合宿が行われました。合宿は二日間にわたり行われ、1日
目は全体会の後に分科会が行われました。

「死刑に異議あり!」キャンペーンでは分科会を一つ担当し、「刑事政策から
考える死刑廃止」というテーマで、合宿参加者と議論を行いました。本分科会
の前半では、現状の日本が死刑のみならず、凶悪犯罪が減少傾向にあるにも関
わらず、無期・有期刑についても厳罰化が進んでいる現状が報告されました。

後半では、「視点と発想の転換:刑罰の多様なあり方」をテーマにフィンラン
ドの経験を共有しました。フィンランドでは拘禁率が高かった時代がありまし
たが、刑罰の中心を拘禁刑から罰金刑に変更するなど、政策的に拘禁率を下げ
る試みがなされました。現実に拘禁率が下がり、かつ、他の北欧諸国の犯罪情
勢と比較しても、治安の悪化などの弊害が見られない事実が報告されました。

参加者と共に、「厳罰主義的な刑事政策への具体的反論および寛容な刑事政策
の具体的提言を通じて、死刑制度を廃止し、誰も排除されない、すべての人の
命と権利が尊重される社会の実現を目指す」という「死刑に異議あり!」キャ
ンペーンのミッションについて議論がされました。時間の制約もあり、十分な
議論の時間を確保できませんでしたが、今後も議論を深めていく機会をキャン
ペーンの活動の中で作っていきたいと考えています。