柴田幸範さんを偲んで
「死刑に異議あり!」キャンペーン事務局としてキャンペーン発足当初から
積極的に関わってくださった、「死刑を止めよう」宗教者ネットワーク事務
局、イエズス会社会司牧センター職員の柴田幸範さんが2011年8月24日に亡
くなられました。「死刑を止めよう」宗教者ネットワークの高橋浩子さんよ
り追悼文を寄せていただきました。
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去年の今頃、柴田さんは直腸がんの手術を受けていたはず。退院後は肝臓と
肺のがんのための治療をすることになって、抗がん剤の経験者として、同郷
の先輩として、「前向きにケッパレ!」と言い続けた。落語をきいて、とか、
あっかーい花なんかを観るといいよ、とか。昨秋、次女がニュージーランド
から帰国の際、お土産に持ってきたプロポリスの未開封の瓶を持って行って、
免疫力を養いなさい、なんて。彼は、人から言われるまでもなく前向きに
ケッパッタ!「死刑をとめよう」宗教者ネットワークの事務局を担当して3
年半余りの月日を、社会司牧センターの仕事と同じように誠実に、こなしな
がら、手術後は抗がん剤治療を受けながら前向きにケッパッタ!彼の活動に
向き合う姿勢は、決して激しすぎず、淡々とこなしているようだけど熱心で、
偏らず公正。幾度か、死刑廃止についてカトリック関係の集まりで話をして
いたけれど、その要旨を読むと、冷静で押しつけがましくなくて、それでい
て説得力がある。ああ、やっぱり、柴田さん、早すぎるよ。キリスト者とし
て、それぞれの信仰を持つ仲間と共に、精いっぱい、「生きなおすことを赦
す社会の実現に向けて」針路をとっていましたね。でも主は柴田さんに休息
を与えられた。これからは、若い人たちに、舵を委ねることにしよう。柴田
さんが居ない、と考えるのではなく彼が遺した課題を引き継いでいく。死刑
を必要としない港(日本)まで。
高橋浩子(「死刑をとめよう」宗教者ネットワーク)