自由権規約委員会が最終見解を公表、死刑廃止を強く勧告

 
日付:  金曜日, 2008-10-31
 
 2008年10月30日(日本時間31日未明)、自由権規約委員会は第5回日本政府報告書審査に関して最終見解を公表しました。死刑については廃止が強く勧告され、さまざまな懸念が示されました。
  パラグラフ16で自由権規約委員会は「世論の動向にかかわりなく、締約国は死刑の廃止を考慮すべきであり、一般世論に対して、死刑を廃止すべきであるということを必要な限り説明すべきである。現段階では、規約6条の2に規定された通り、死刑は最も重大な犯罪のみに厳格に限定すべきである」と日本政府に死刑廃止を検討するよう強く勧告しました。そして、世論を言い訳に使うのではなく、死刑を支持する世論に対して死刑を廃止すべきことを率先して説明する責任は政府にあるとしました。また、高齢者や精神疾患のある死刑確定者に対しては、人道的配慮を行うべきであり、「恩赦、減刑、執行延期手続などがより柔軟に認められるべきである」と勧告しました。死刑執行期日を本人や家族にすら事前に知らせない手続きに対しても改善勧告がなされました。
  パラグラフ17では、委員会は「死刑事件に関しては必要的再審査手続きを設けるとともに、再審請求や恩赦の出願がなされている場合には執行停止の措置をとるべきである」と日本政府に対して勧告しています。また、NGOからの、再審開始に至るまでは死刑確定者と弁護人との秘密交通権が確保されていないという情報を受けて、委員会は「すべて秘密接見交通が保障されるべきである」と勧告しています。