すべてのニュース

すべてのニュースを日付の新しい順に表示しています。

中国政府が残りの日本人死刑確定者3名の死刑執行を通告、岡田外相が懸念伝える

 
日付:  金曜日, 2010-04-02
 

 岡田外相は4月2日の定例記者会見で、中国政府が麻薬密輸罪で死刑判決が確定していた日本人死刑囚3人の死刑を執行すると通告してきたことを明らかにした。死刑執行を通告されたのは、武田輝夫死刑囚(67歳)、鵜飼博徳死刑囚(48歳)、森勝男死刑囚(67歳)の3人。

 中国で死刑判決が確定した日本人は現在4人おり、このうち赤野光信死刑囚(65歳)については、3月30日までに死刑執行の通告が日本政府にあった。しかし、日本政府はこれに全く対応せず、中国政府はその姿勢を見て残りの3名の死刑執行を通告してきた可能性がある。赤野死刑囚については4月5日にも、残りの3名については4月8日にも死刑が執行される可能性がある。

 3名の死刑執行の通告に対する日本政府の対応として、岡田外相が駐日中国大使を呼んで日本の国内世論の影響などについて懸念を伝えたが、「刑罰は内政問題」との観点から死刑執行の中止は要請していない。その一方で、外相は「果たして適正な手続きが取られているのだろうかという声が世論の中にある」と述べ、これを駐日中国大使にも伝えたとされる。

 しかし、これこそかつて欧米の「先進国」がアジアの「後進国」に対して治外法権を主張したのと同じ論理で、自国の司法制度の優越を主張し日中両国国民の排外熱を煽るだけであろう。確かに、通訳の問題を含めて手続上の問題があることは確かであり、適性手続は内政問題を超えた普遍的な人権問題である。しかし、その点では死刑問題も同じで、死刑問題はいまや内政問題を超えた普遍的な人権問題である。この点を正面から認め、日本も死刑廃止に向かうことを明確にしつつ中国政府に死刑執行の停止を求めることこそ、この問題に対する正当な対応の方法である。

 中国での死刑執行をめぐっては、昨年12月に麻薬密輸罪でイギリス人死刑囚が死刑を執行される際に、イギリス政府は精神疾患を理由に執行停止を求め、執行後もブラウン首相が執行を非難する声明を出した。2005年にシンガポールでオーストラリア人の死刑が執行されたときにも、オーストラリア政府はくり返し死刑の執行停止を求めたという。両国とも死刑制度を廃止しているがゆえに、このように強い対応をとることができた。

関連記事 「中国政府が日本人死刑確定者4人のうち1名の死刑執行を通告」

アムネスティ・インターナショナル日本の日本政府に宛てた声明(4月5日)

アムネスティ・インターナショナル日本の中国政府に宛てた声明(4月5日)

監獄人権センターの声明(4月4日)

アムネスティが2009年の世界死刑状況報告書を発表

 
日付:  火曜日, 2010-03-30
 

 アムネスティ・インターナショナルは、3月30日、2009年の世界の死刑に関する調査結果を発表しました。報告書では各国の死刑判決と死刑執行の統計を掲載するとともに、これらの統計を公表しない中国政府を非難しています。

 2009年の死刑執行国は、18カ国にまで減少して15年前から半減となり、世界はさらに死刑のない社会へと前進しました。日本は、2008年に引き続き、2年連続、執行数で世界第10位でした。

アムネスティ・日本支部の解説

報告書「2009年の死刑判決と死刑執行」の全文(英語)

中国政府が日本人死刑確定者4人うち1名の死刑執行を通告

 
日付:  火曜日, 2010-03-30
 

  中国政府は、麻薬密輸罪で死刑判決が確定した赤野光信死刑囚(65歳)について死刑を執行すると日本政府に通告した。4月5日にも死刑が執行される予定であるという。現在、中国で死刑判決が確定している日本人は4人おり、罪名はいずれも麻薬密輸罪である。

 日本人の死刑執行は1972年の国交正常化以降一度もなく、1950年に毛沢東暗殺を企てたとして日本人1名が死刑執行されて以来となるという。

 アムネスティ・インターナショナル日本は、3月30日、中国政府に対して、今回の予告された死刑の執行を含め、すべての死刑を直ちに停止するよう求める声明を出した。

アムネスティ・インターナショナル日本の声明(3月30日)

日弁連の会長声明(4月2日)

「三崎事件」死後再審請求審でDNA型鑑定を実施へ

 
日付:  火曜日, 2010-03-16
 

 神奈川県三浦市で1971年、船舶食料販売会社の社長一家3人が刺殺された「三崎事件」で、死刑が確定し東京拘置所に収容中の2009年9月に死亡した荒井政男元死刑囚(当時82歳)の再審請求で、横浜地裁横須賀支部(忠鉢孝史裁判長)は、元死刑囚が持っていた大工道具袋に付いていた被害者のものとされる血液のDNA鑑定を行うことを3月16日付で決定した。大工道具袋は事件で唯一の物証とされ、荒井元死刑囚は血は自分のものと主張していた。

毎日新聞の記事
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20100318k0000e040054000c.html


三崎事件の死後再審請求審
裁判所がDNA型鑑定を実施

 

 まず、死刑確定 (1990-10-30) 後も一貫して冤罪を叫び続けていた荒井政男さんが、獄中で無念の病死を遂げた(2009-9-3)、そのすぐ後になって、この鑑定が実施されることになった――その運命的な皮肉と言うか、無残さと言うか、――私は、なんとも言いようのない思いをしています。

 今回横浜地裁横須賀支部が、職権で行なうDNA型鑑定の資料は、実は、荒井政男さんの遺体を家族が引き取った後、弁護団と相談して死後再審を続行していく決意のもと、家族立ち会いで弁護団が遺体から採取した荒井さんの毛髪等によるものです。

 対照資料は、事件被害者の血液が付着しているとされて荒井さん起訴の決めてとなった唯一の物証(荒井さんの車のトランクに入っていた大工道具袋に付着している血痕)です。その保存状態は、見たところ悪くはなく、赤黒い状態で残っています。38年前の血痕からDNA型の鑑定ができるかどうかも一つの焦点です。荒井さんは、一貫してその血痕は事件の少し前に、自分が指に怪我をしたときに拭き取ったものだと主張してきました。

 したがって、今回の鑑定は、その血痕が荒井さん自身のものということになれば、重要な物証が消えることになり、もし血痕が荒井さんのではない別人のものだとなれば、それを被害者のものとする証明は困難になるというものです。

 ちなみに、荒井さんの第1審では、その血痕は、NM型(血液型)で被害者のものと一致し、荒井さんとは不一致と鑑定されており、第2審で法医学者・木村康氏から、NM型検査の精度は低く、使われた試薬に信頼性がないと批判されていたものです。

 足利事件・菅家さん無罪の決定打となったDNA型鑑定が、このようにして三崎事件再審請求審でも実現するという、時代の流れも感じます。

2010.3.18 荒井政男さん救援会・山際

台湾死刑廃止連盟2010年3月12日付プレス・リリース(日本語訳)

 
日付:  金曜日, 2010-03-12
 

台湾死刑廃止連盟が年3月12日付でプレス・リリースを発表

(日本語訳)

 

 死刑廃止のために立ち上がろう

台湾死刑廃止連盟、2010年3月12日

「私は、公に死刑支持を表明する人を非難したことはない。死刑に賛成あるいは反対することは一つの道徳的選択であり、その選択は個人の良心に属するものだからだ。私を腹立たせるのは、知識人の自称死刑廃止主義者が、世論調査で死刑支持が優勢だからという理由だけで、死刑存置に甘んじていることだ」 ―ロベール・バダンテール(フランス法務大臣への公開書簡、1977年)

台湾死刑廃止連盟は、台湾の王清峰法務部長が昨日、口頭で辞意を表明し、呉敦義行政院長と馬英九総統が受理したことを、心から遺憾に思う。

王法務部長は、2008年に法務部長に就任して以来、死刑廃止への支持を表明してきた。台湾が国連の市民的及び政治的権利に関する国際規約(自由権規約)と、経済的・社会的及び文化的権利に関する国際規約(社会権規約)を批准して以来、王法務部長は一貫して死刑の段階的廃止政策を継続し、死刑事案を検討し、モラトリアム(執行停止)を続けてきた。王法務部長はまた、法務部内に死刑の適用に関して研究する小委員会を設置し、死刑廃止に向けて動いてきた。この小委員会は専門家、死刑制度の研究者、その他の死刑に関係する人々が参加して、死刑に替わる代替案を追究するため、踏み込んだ議論を行うものだ。この問題に関する王法務部長の献身は、大いに賞賛されるべきである。

今年の後半に予定される総選挙を控えて、私たちは総督府と行政院、立法院、与党、野党に対して、死刑という生と死に関する問題よりも、自分たちの利害を優先することのないよう強く要請する。私たちは、行政府と立法府が台湾のとるべき進路を考慮するにあたって、普遍的な人権の諸価値を支持するよう求める。

・国際的な側面-経済を越えて
台湾政府は、世界経済への参加の度合いを増すために、中国との「経済協力枠組協定」(ECFA)をはじめとした、積極的な取り組みを行ってきた。台湾は経済発展に対してはオープンな態度を取っているが、国際人権基準については、いまだに全面的に採り入れていない。台湾は国連加盟国ではないが、このように国際社会から孤立した道を歩むことは許されない。私たちは、国連総会が2007年と2008年に採択した、死刑執行の一時停止を求めるモラトリアム決議を無視することはできないし、世界139ヵ国が死刑を法律上もしくは事実上廃止している事実も無視できない。国連の次回の「死刑に関する5年毎の調査」は、今年の6月に発表される予定だが、その中でウィリアム・シャバス教授は、世界中で死刑が廃止される日が、2015~25年の間に実現するかもしれないと述べている。台湾は、死刑廃止への歩みのスピードを落とすことはあっても、死刑廃止への道を踏み外すことがあってはならない。

・死刑の代替案
我々は、死刑廃止が容易な課題ではないことを理解している。「命には命を」という価値観は私たちの文化に深く根付いているので、広範な議論を通してはじめて変えることができる。したがって、死刑を存置すべきかどうかの議論は、一時(いっとき)の世論のすう勢に基づいて決められるべきでないことは明白である。私たちはしばしば、民主主義とは世論に従うことであると考えがちだが、人権が危機にさらされている時は、公の議論と世論の啓蒙が必要なのだ。

総督と行政院は、「長期的には」死刑を廃止するという目標を表明している。この目標に沿って、段階的な計画を実施しなければならない。死刑の代替案についての議論を続けなければならない。王法務部長が設置した検討小委員会は、死刑の代替案の起草と世論の啓蒙という使命を、継続して果たす必要がある。

・死刑囚と死刑事案の被告人に関する啓蒙
総統と行政院は、法律の修正によって、死刑の適用範囲を徐々に狭めていくという目標を表明している。死刑は取り返しがつかない究極の刑罰であるので、細心の注意を払った適正な法的手続が保障されなければならない。適正な法的手続を保護するため、我々は下記の修正を要求する。

 1、死刑判決には、裁判官の全員一致による評決を必要とすべきである。
2、あらゆる死刑事案の被告について、その事案が最高裁判所に上げられた場合に、法的助言を受けられるようにすべきである。
3、あらゆる死刑事案が最高裁判所に上げられた場合、最高裁判所の法廷は現在、その事案に関して公開の審理を開いていない。最高裁判所はあらゆる死刑事案に関して、検察側と弁護側による口頭弁論を開くべきである。

・次期法務部長
Hsieh Kuo-liang議員が言うように、「44人の人々を処刑することは、虐殺以外のなにものでもない」。私たちは、次期法務部長が死刑囚の処刑という目的のために法務部長の職に就くのでなく、刑事訴訟法と国連の自由権・社会権規約に沿い、細心の注意を払って権限を行使することを望む。台湾死刑廃止連盟は、すべての死刑囚に対して、引き続き法的助言を与えることによって、彼らの上訴権が確保されるよう取り組んでいく予定である。

林 欣怡(LIN Hsin-yi、台湾死刑廃止連盟事務局長)

台湾死刑廃止連盟加盟団体
台湾人権擁護協会、司法改革協会、台北弁護士会、台湾法律家協会、Chang Fo-Chuan人権研究センター、アムネスティ・インターナショナル台湾、ヨハネ・パウロ2世平和研究所、台湾緑の党、台湾チベット青年会議

台湾死刑廃止連盟2010年3月10日付プレス・リリース(日本語訳)

 
日付:  水曜日, 2010-03-10
 

台湾死刑廃止連盟が年3月10日付でプレス・リリースを発表

(日本語訳)

 

2月23日、Wu Yu-sheng台湾立法員議員は立法院で質問に立ち、「私は死刑廃止には反対しないが、現在44人いる死刑囚は死刑を執行されるべきだ」と述べた。3月8日には、Huang Shi-ming次期検察総長が立法院で、「自分も死刑撤廃には賛成だが、死刑執行を先延ばしすることは法律の土台をゆるがすことだ」として、そのような事態を避けるために、死刑囚は刑の確定後、速やかに死刑を執行されるべきだと発言した。

今朝(3月10日)、警政司(警察庁)長官のWang Cho-ChiunはWu議員の質問に答えて、確定した死刑判決は執行されるべきだと述べた。

台湾死刑廃止連盟は、死刑廃止への支持が増えていることを評価する一方で、44人の死刑確定者への死刑執行を求める意見が相次いでいることを懸念する。

1、法務大臣の権利とは何か?
刑事訴訟法461条には、死刑は「法務執行部門の最高責任者」、つまり法務部長の承認なしには執行されないと定められている。死刑対象事案に関する書類は法務部長に提出されなければならず、法務部長は個々の対象事案を見直して、必要なら再審や特別抗告を決定したり、検察官事務所に対象事案の再検討を命じたりする権利を有している。こうした法務部長の権限は、法の適正かつ公正な手続きを保証する法務部長の法的役割の一部である。このように刑事訴訟法によれば、法務部長は明らかに死刑執行命令書に押印するだけの存在ではなく、はるかに重要な役割を負っている。法務部長の役割とは、死刑事案において細心の注意が払われるよう保証することである。

刑事訴訟法のいかなる条文にも、法務部長は定められた期間内に死刑執行命令書に署名しなければならないとは定められていない。それどころか、法は意図的にこの件を法務部長の裁量に委ねている。(反対に、死刑執行官と刑務当局には執行を延期する権限はなく、法務部長の執行命令書を受け取ってから3日以内に死刑を執行しなければならない)

実際、法務部長は一定期間内に執行命令書に署名する義務を負わないだけでなく、法務部長が執行命令書への署名を断ったとしても、その判断について説明や釈明をする必要もなければ、法的審査を受ける必要もない。この事実は、死刑事案に関して法務部長が司法手続きを監督すべき権限の範囲を示しており、民主主義的なチェック・アンド・バランスの原則に沿ったものである。

2、台湾政府の司法手続きと人権基準の遵守に関する見直し
台湾政府は過去3代の法務部長(王清峰、Mao Shin-lon、Chen Ding-nan)に渡って、段階的に死刑廃止に向かう政策をとってきた。法務部長がいかなる死刑執行命令書にも署名しないという決定は、台湾の刑事手続きと人権基準の遵守に関して見直すという政府の決定を反映している。

昨年末、国連の市民的及び政治的権利に関する国際規約(自由権規約)と、経済的・社会的及び文化的権利に関する国際規約(社会権規約)を履行する法律が、台湾で発効した。自由権規約第6条は生命権を保護しており、死刑は「最も重大な犯罪」にのみ科すことができると定めている。また、死刑を言い渡された者は恩赦や減刑を受ける権利を有していること、妊娠中の女性や18歳未満の人には死刑を科してはならないことも定められている。台湾は、自由権規約と社会権規約を履行する法律の第8条が定めているように、自由権規約のこれらの条文が定めている基準を満たすために、2年以内に多くの見直しを行わなければならない。

3、国連のモラトリアム決議
2007年と2008年、国連総会は世界の死刑執行のモラトリアム(一時停止)を求める62/149号決議と63/168号決議を採択した。これは世界の死刑廃止に向けたきわめて重要な一歩だ。人権団体や国連、ヨーロッパ連盟(EU)はなぜ、死刑廃止の実現に向けて、このように積極的に働いているのか? 今日、死刑を存置している国々の大多数は、死刑を廃止するより存置する方が簡単だし便利だという理由で、そうしているのだ。これらの国々はいまだに死刑廃止と真剣に向き合っておらず、国民的議論も行っていない。その結果、一般市民は死刑に関する知識や情報を欠いており、たとえば死刑の代替刑といった、より成熟した具体的な政策は、まったく実現されていない。

台湾はすでに正しい道を歩んでいる。台湾は、国連のモラトリアム決議を利用して、死刑をめぐる諸問題を深く検討し、討議するための時間と場所を準備すべきである。

4、諸外国の経験
日本では1989年11月~1993年3月の3年4ヶ月間、二人の法務大臣が死刑に反対したため、死刑の執行が停止された。また、2005年10月~2006年9月には、敬虔な仏教徒の法務大臣が死刑執行命令書に署名しなかった。

一方、韓国政府は1998年から死刑反対の方針を表明し、死刑執行を命じない人物を法務大臣に任命してきた。それ以来、韓国は死刑を執行していない。だが、どの法務大臣も「法を破った」として告発されてはいない。

5、第4回死刑廃止世界会議
今年の2月24日~26日、スイスのジュネーブで、第4回死刑廃止世界会議が開催された。今回の会議では、国連の死刑に対する立場はより明確であった。開会式が国連のヨーロッパ本部で開かれただけでなく、「超法規的殺害、即決・恣意的処刑に関する国連特別報告者」のフィリップ・アルストンや、「拷問に関する国連特別報告者」のマンフレッド・ノワク、さらには国連による「死刑に関する5年毎の調査」のコーディネーターであるロジャー・フッドとウィリアム・シャバスなどの国連関係者が、会議に参加して発言した。閉会式には国連人権高等弁務官のナバネセム・ピレイが出席して、米国のNGO「死刑に反対する子どもたち」の代表から、会議の宣言文を受け取った。こうして、国連は世界の死刑廃止を支持する立場を再確認した。

シャバス博士は会議で、「自分は楽観的な見方をしている」と述べた。博士は自分の研究に基づいて、世界中での死刑廃止は2015~25年には実現するだろうと述べた。だが、死刑廃止への道のりは平坦ではない。死刑廃止が「予定通り」実現するためには、中国のような国が死刑廃止への段階的なスケジュールを策定する必要がある。

台湾は国連の加盟国ではないが、人権問題に関して国際社会で孤立すべきではない。私たちは、台湾が死刑廃止への道を歩み続け、死刑執行のモラトリアムを継続し、死刑の代替案を研究し、死刑廃止に対する世論の支持を獲得するよう働きかけることを望んでいる。死刑廃止は犯罪被害者の権利を侵害することも、社会の安全を害することもない。

これが、私たちの望む進歩である。この道を進まなければ、台湾において近い将来、死刑廃止が実現されないだろうと、私たちは懸念している。

林 欣怡(LIN Hsin-yi、台湾死刑廃止連盟事務局長)

死刑廃止世界大会が開かれる

 
日付:  日曜日, 2010-02-28
 

 2010年2月22日~28日の日程でジュネーブ(スイス)にて第4回死刑廃止世界大会が開催されました。同大会は3年に1度のペースで開催され、今回の第4回大会には100カ国以上の国・地域から1900人を超える人が参加しました。参加者は死刑廃止運動に関わる市民運動、宗教者、死刑廃止を推進する各国政府、国際機関、研究者などが参加しました。

 大会は3日間の日程で行われ、国連欧州本部にてオープニングセレモニーが行われ、スペインは2015年までに世界全体での死刑執行停止状態(モラトリアム)を実現することを目標としていくことを宣言し、イタリアは次の国連総会でより踏み込んだ内容の死刑廃止に向けた決議案を出したいと意欲を示しました。

 その後、ジュネーブ国際会議場で、3日間の日程で2つの全体会と11のラウンドテーブル、9のワークショップ、4つの文化的な企画(映画やパレードなど)、ポスター展示セッション等が行われました。分科会は人種差別について、弱者の死刑からの保護について、ネットワーク組織の形成のコツなど、死刑廃止活動を進める際の課題について設定されました。各分科会では問題点や課題の共有、その解決のための経験や知識の共有を行うことを目的にしているものが多くありました。

 大会の閉会式が行われた後は、国連欧州本部前の広場までパレードし、広場で各国語で「死刑廃止」を意味するフレーズでシュプレヒコールを上げるなど、お祭りのような雰囲気に包まれ、今回の大会は終わりました。

AFP通信の記事
http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/crime/2701327/5396282

韓国の憲法裁判所が死刑合憲判決(5対4の僅差)

 
日付:  木曜日, 2010-02-25
 
韓国の憲法裁判所は、2月25日、死刑を合憲とする判決を行った。評決は5対4で、1996年の判決(7対2)よりも僅差だった。
 
詳細は以下の記事(英文)
 
アムネスティ・インターナショナルの声明

「あなたは死刑判決を出せますか?」 アムネスティ日本が街頭アンケート

 
日付:  土曜日, 2010-02-20
 

 2010年2月20日(土)の午後1時~4時、アムネスティー・インターナショナル日本の死刑廃止チームが渋谷駅モヤイ像 前にて「裁判員に選ばれたら、あなたは死刑判決を出せますか?」 というテーマで、街頭アンケートを行ないました。結果は、

  • 「出せる」 110人(45.8%)
  • 「出せない」 97人(40.4%)
  • 「わからない」 33人(13.7%)

となりました。

 「出せる」が「出せない」をやや上回っていますが、2月上旬に 発表された内閣府の世論調査で約85%が「場合によっては 死刑もやむを得ない」と回答した結果に比べると、自分自身の判断するとなると慎重にならざるを得な い気持ちがうかがえるのではないでしょうか。

詳しくは、アムネスティ・インターナショナル日本 死刑廃止ネットワークセンターのサイトへ

アムネスティ日本支部が死刑に関する情報公開と公的議論を求める声明

 
日付:  月曜日, 2010-02-08
 

 アムネスティ・インターナショナル日本は、2月6日に発表された死刑制度に関する内閣府の世論調査に関連して、「世論調査の結果にかかわらず、死刑の廃止を前向きに検討し、必要に応じて、国民に対し死刑廃止が望ましいことを知らせるべきである」との国際自由権規約委員会の2008年の勧告を引用し、「日本政府に対し、今回の世論調査の結果のみに左右されることなく、死刑の執行を公式に停止し、死刑廃止を視野に入れた公的な議論を開始するよう要請する。」との声明を発表した。

http://www.amnesty.or.jp/modules/news/article.php?storyid=753